筋肥大のメカニズムとは

「筋肥大」という言葉をご存知でしょうか。日常生活ではあまり聞き慣れない言葉ですが、筋力トレーニングを行っている方、これから行おうとする方には是非筋肥大の仕組みについて理解して頂きたいです。

今回は、筋肥大のメカニズム・トレーニング方法を中心に述べさせて頂きます。

筋肥大とは?

「筋肥大」とは、トレーニングにより、筋肉の体積が大きくなることをいいます。

筋肉は筋繊維という細い筋細胞の束でできている

筋肉は、繊維の集合体でできています。この繊維の体積が大きくなると筋肉が肥大していきます。

筋肥大=筋力アップではない

よく間違えて覚えている方がいらっしゃいますが、筋肥大=筋力アップではありません。

筋肥大は、繊維の体積が大きくなることにより起こりますが、筋力アップは、筋繊維の数が増えることで起こります。

筋繊維の数は、体積が大きくなった後に起こる為、筋肥大した後、筋力アップに繋がるということを押さえてください。

筋肥大のメカニズム

では、筋肥大のメカニズムについて述べていきます。

超回復

超回復は、鍛えた筋肉を休ませる為の期間をいいます。筋肉は、鍛えれば鍛えるほどついてくるものではなく、休息や周囲環境が整ってなければ大きくなりません。

トレーニングなどの負荷で筋繊維が破断

トレーニングをすると、その負荷により、筋繊維が破壊されます。そうなった際に必要なのが超回復という筋肉の休み期間です。

傷ついた筋繊維は休養と栄養により以前より大きくなって回復する

超回復では、筋繊維が今までの負荷量では破壊されないようにさらに大きくなろうとします。

しかし、筋繊維を大きくする為には栄養をしっかりとる必要があります。ひとつでも欠けてしまえば筋肉を大きくすることができません。

成長ホルモン分泌

筋肥大の為には、成長ホルモンが大きく関係します。

筋肥大に不可欠

筋肥大には、成長ホルモンの分泌が欠かせません。筋肉を使用する運動をした際、成長ホルモンの分泌が高まることが医学的に証明されています。

その為、成長ホルモンの分泌量が減ると筋肥大を十分に行うことができません。

高負荷の運動により血中の成長ホルモン濃度は通常の約200倍に増加

高負荷の運動をした組としてない組を比較した実際の医学的データで証明されています。

つまり、成長ホルモンの分泌無しには筋肥大はしないと言えます。

筋肥大のためのトレーニング方法

筋肥大を目的に行うトレーニングにはコツと正しい理解が必要です。正しい方法についてご説明します。

強度

最低でも最大筋力の65~70%を必要とする重さ

筋肥大を目的とした際、運動の強度が大切になります。最大筋力の定義は広く、様々な測定方法がありますが、1回で物を持ち上げることの出来る最大の重さのことであると捉えてください。

実際に数値を出して具体的にご説明します。

例えば、10㎏の重りを1回のみ持ち上げる事が出来た場合は、最大筋力は10㎏となります。

筋肥大には、最大筋力の65~70%が必要ですので6.5~7.5㎏の重さが必要です。

回数はオールアウトまで

オールアウトとは、運動に伴う疲労のことをいいます。

これ以上あがらない限界数まで行う

先程の例を使うと、6.5~7.5㎏の重りを上がらなくなる限界まで,疲労度最大値まで上げ続けます。5回上がったのであれば、その場合のオールアウトは5になります。

インターバルは短く

約30秒~1分くらい

インターバルとは、運動と運動の間の休息の事です。この時間を短くすることで、筋肉への刺激を増大させ、筋繊維に直接的に働きかけることが可能となります。

前セットの疲労が抜ける前に次のセットをはじめる

また、筋肉の疲れや重だるさが抜ける前に次のセットをオールアウトするまで繰り返します。

この反復動作が筋肥大の秘訣となります。

種目

コンパウンド種目が適している

コンパウンド種目とは、複数の筋肉や関節を同時に動かすトレーニングのことで、ベンチプレスなどを使用します。

同じ部位に何度も刺激を加えると捉えれば分かりやすいです。

スクワット、デッドリフトなど

代表的なものにはスクワットやデッドリフトなどがありますが。スクワットの後にジャンピングを行うなどして負荷量をあげる方法もあります。

レベルに応じた頻度

筋力トレーニングにおいて、自己レベルの正しい理解は必須です。初めてどの位経過するのか、筋力レベルはどの程度なのかを理解していなければアクシデントが起こる危険性があります。

初心者:全身を使う筋トレメニューを週2~3回

初心者の方は、大きな運動を取り入れ、無理のない範囲の負荷量で週に2~3回程度行うのが理想的です。筋力トレーニングは、継続が鍵となるので、初めのうちに頑張りすぎると体力の消耗が大きく長続きしません。

中級以上:部位別トレーニングを週3~6回

ある程度の継続期間があり、全身を一通り鍛えた後は、鍛えたい部分を中心にトレーニングをしていきます。

回数としては3~6回程度が理想的です。適度にインターバルを挟み、無理なく行ってください。

長期的スパン

効果がわかるまでに最低でも3~4カ月かかる

筋力がついてきたと実感を得られるまでは3~4ヶ月程時間を要します。トレーニング前に立てる計画をこの期間に設定しプログラムを立てて下さい。

やめると元に戻るため継続的に

筋肉は使われていなければ小さくなる特性を持っていますので、筋肥大を目指すのであれば、自身のコンディションに合わせ、継続的にトレーニングを実施してください。

筋肥大を促すためには

筋肥大を促すために、ぜひおこなってほしい方法をご紹介します。

たんぱく質の補給

適切なタイミングでプロテイン・アミノ酸のサプリメントを摂取

プロテインやアミノ酸、その他の栄養補助食品の最も効率的な摂取タイミングは、就寝前です。

プロテインはたんぱく質が豊富に含まれています。そのたんぱく質の吸収を促進するのが成長ホルモンです。成長ホルモンは就寝中に分泌量が盛んになるため、このタイミングでのプロテイン摂取が有効なのです。

トレーニング後30分以内の補給が筋肉の修復に効果的

また、トレーニング直後は「ゴールデンタイム」とも呼ばれ、超回復や筋肉疲労の改善に効果を発揮します。プロテインの中でも、体内吸収速度の早いものを選ぶとより効果的です。

ビタミン・ミネラル類を摂取するとたんぱく質が吸収しやすい

さらに、たんぱく質の吸収を促す補助としてビタミンやミネラルを摂取してください。ビタミンやミネラルにも数多くの種類がありますが、どれも、筋肉の成長や疲労回復に欠かせません。

食事

筋肥大に必要なエネルギーや栄養をしっかり摂取

まずは、もととなるエネルギーを蓄える事が必要です。それに加え、たんぱく質を多く取り入れ、不足分は補助食品を服用し補ってください。

不足していると高負荷トレーニングをしているのに筋肥大しないことも

必要な栄養素が不足したままトレーニングを続けても、疲労を誘発させるだけになってしまい、筋肥大させることが出来ません。

タンパク質、炭水化物をバランスよく

筋肥大に特に大切であるタンパク質と炭水化物をしっかり摂取し、食事量を調整してください。

サプリなどによる補給だけでなく食事量もしっかり摂ることが大切

サプリの補給も大切ですが、それ以前に摂取カロリーをあげていくことも必要です。量を増やすだけでなく質にもこだわりを持ってください。

十分な睡眠

睡眠中に成長ホルモンが分泌される

睡眠中,特に22~2時の間は成長ホルモンの分泌が盛んになります。その為、この間の睡眠をしっかりと取り、たんぱく質の吸収率をあげていきましょう。

休養しないと筋肉は大きくならない

筋肉は休養中にさらに大きくなろうとする働きがみられる為、十分な休養を取り、コンディションの悪い日は、負荷量を下げるなど、トレーニングメニューの変更も検討してくだい。

筋肥大がうまくいかないときに考えられる原因

同じようにおこなっても筋肥大がうまくいかない場合があります。その原因についてみていきましょう。

炭水化物不足

もととなるエネルギー不足はパフォーマンスの低下に繋がり、本来持つ力を発揮できません。

睡眠不足

筋肉は、休養中に回復・成長する事、睡眠中に成長ホルモンの分泌が多くなることから、睡眠不足は筋肥大にとって致命的となります。

オーバートレーニング

目標を高い所に置きすぎている、短期間でメニューを詰め込みすぎているなど、ご自身の体力を越えるトレーニングは控えてください。

負荷が足りない

対して、最大筋力に対する負荷量が足りていない場合も筋肥大を起こすことができません。

有酸素運動が多い

トレーニングと併用して行う事の多い有酸素運動ですが、適度に行ってください。例えば、トレーニングを行わない日のみ有酸素運動を行ったり、タンパク質の合成を高めるため、トレーニング後に短時間での実施がオススメです。

筋肥大のメカニズムとはのまとめ

筋肥大を目的となると、通常の筋力トレーニングよりハードで心身の負担が大きくなる為、適切な負荷量を知る必要があります。

これから始める方は、必要な栄養素や睡眠と筋肥大の関係性について、正しく理解してから行う必要があります。

3ヶ月以上の継続が必要となり、負荷の調整も難しい為、必要性に応じてプロのトレーナーにご自身に合ったプログラムを作成して頂く事をオススメします。