ブリーダーが猫を交配・繁殖させる時の3つの知識

ブリーダーになる時、どの動物の種類のブリーダーになるか考えることになると思います。

犬のブリーダーだったらボーダーコリー専門だったり、ゴールデンレトリーバーを専門に扱うことになったりすると思います。

また犬と猫の両方を取り扱うかもしれません。今回は猫のブリーダーになった際、猫に関する知識は欠かさないと思います。今回は猫を交配・繁殖させる時の知識を3つに分けて説明したいと思います。

猫の発情期は?

猫の繁殖期は人間と違って、繁殖(交尾をし妊娠して出産に至るまで)できる時期があります。というのは「春季発動」といい、異性を受け入れるのにメスとオスのタイミングがずれたりするからです。メスの繁殖期のピークは2月~4月の上旬がピークで、少しずれると6月~8月の間になります。

その理由は餌が少ない冬の間に産むよりも、暖かくて食べ物が多い時期に産むほうが子猫の生存率があがるからです。メスの繁殖期の間にオスも繁殖できるようにテストステロン濃度(男性ホルモン)が上がってきます。繁殖期の間に猫たちは発情を始めるのですが、メスの猫の発情するタイミングは1日の日照時間によって左右されます。

1日の日照時間が12時間から14時間になると、その44日から45日後にメスは発情するといわれています。なぜ光が発情を促すのかというと、光を捉える猫の網膜、メラトニンというホルモン、脳の視床下部の3つが作用されるからなのです。人工灯でも発情は可能で、日照時間が9時間に設定してもその後人工灯で14時間まで延長すると発情されるので、ブリーダーは冬の間でも繁殖の業務ができます。

一方オスは大人になると常に発情状態になっているので、メスが発情に入るといつでも繁殖体制になれます。メス猫の発情周期は「発情前期」「発情期」「発情後期」に3つに分かれているので、それぞれ説明していきます。

発情前期

発情前期はわずか1日~3日と短く殆どの猫が発情行為を見せないようです。発情前期の行動行為としては、わずかに活動的になりよく歩くようになります。これは人間も同じみたいで、排卵直前になると歩行量が増します。

こすり付ける行動が見られる時もあります。ゴロゴロとのどを鳴らしてみたり床の上を転がったりします。もし飼い主に甘える行動がみられる場合は発情前期の兆候と言えるかもしれません。

またオス猫に優しくなったり(しかしこの時点ではまだ交尾体制に入ろうとはしません)、盛りの声を出します。スプレーという行為も見られるようになり、これはメスに限らずオスもスプレーをします。スプレーというのは通常のおしっことは違い、尻尾を上げて後ろに撒き散らかす行為です。

この撒き散らかされた尿の中にはフェロモンの成分が入っており、オス猫を引き付けるのです。

発情期

正式な発情期になるといよいよメス猫はオス猫のことを受け入れます。最も受け入れ易いのは始まって3日~4日目だそうです。交尾をすることによって排卵されるので、発情期初日で60%の確率で、5日目で83%の確率で排卵します。

発情後期

発情後期は長くて発情前期から11日後に入りますが24時間以内に終わります。前期の時とよく似ていて、オスのマウンティングは許すものの、交尾まではしません。ただ発情後期は子宮蓄膿症に注意しなければなりません。

子宮蓄膿症というのは発情期でプロゲステロンが過剰に分泌され子宮内膜が増殖し細菌が増えてしまう病気です。見分け方としてはお水をたくさん飲む、お腹が膨らむ、熱があったり陰部から膿がでたりします。このような症状が出たら子宮蓄膿症を疑い獣医に見せましょう。

発情休止期

発情休止期の期間は、オスもメスも異性に興味を持たなくなることです。特にメスはオスに対して全く関心がなくなるので、オスが近づくと猫パンチをしたり、嫌な臭いを発してオスを近づけないようにします。

一般的な猫の交尾行程

上記では、発情期間に猫がとる行動や体の中の変化を説明してきましたが、次に猫の交尾の工程を説明します。まず、交尾に入る前に同じメスを狙っている別のオス猫がいるとメス猫をめぐって争奪戦から勝たなければなりません。争奪戦に勝ったオス猫がメス猫と交尾をすることができます。

騒々しくなく

交尾が始まる前オス猫はギャーギャーと激しく鳴きます。これはメスに自分の位置を教えているのと同時に、他のオスに近づくなという意味で鳴いているのです。

ネックグリップ

オスがメスの首元を噛むことによって全身の力が抜け不動化反射状態になります。親猫が子猫の首を噛むのと同じです。オス猫はメス猫のその反射状態を利用しメスの行動を制御させます。これをネックグリップと言います。

マウンティング

オス猫はメス猫に覆いかぶさり、またメス猫は上半身を地面に押しつけ下半身を上に持ち上げます。オスは腰を弓なりに曲げ後ろ足で足踏みをして左右に揺れます。

ペルヴィックスラスト

ペルヴィックスラストというのは、オスの性器をメスの性器に挿入する前に何度か腰を振るのですが、それはメス猫の性器の位置を確認するためです。確認ができたら交尾に入ります。実際にペニスが挿入されるのは力強い突き出しのあとで、5~15秒間腰を振った後射精をします。

アフターリアクション

射精が終わるとオス猫はすぐにメス猫から離れメスはオスに向かって激しく鳴いたり、猫パンチをするような行動をアフターリアクションと言います。

アフターケア

これはオスもメスもするのですが、後尾が終わると自分自身の生殖器周辺を舐めてきれいにします。これをアフターケアと言います。

不応期

交尾が終わるとメス猫は転げ回ったり伸びをしたりします。これは一時的に相手の興味がなくなったという事を表しますが1分~7分の間だけで、また交尾体制に入ります。

計画交配をする場合と避妊、去勢対策について

猫のブリーダーになったら計画繁殖が必要となります。猫の繁殖の根底にはより良い猫を増やし、猫の質をあげるのが目的だからです。いくら良質両親猫から生まれてきた子猫だとしても、長所ばかり引き継いで生まれてくるのではなく、短所も多く引き継ぐ可能性だってあるのです。

そのため交配させる親猫同士をよく考慮し、交配させる必要が出てきます。計画繁殖には3つの方法があります。

イン・ブリーディング(近親繁殖)

親子同士(父親と娘、母親と息子)や兄弟の間で繁殖させることです。この場合は両親とよく似た遺伝子を引き継いで生まれてくる可能性が高いので、親猫より優れた遺伝子を持って生まれくる半面、欠点も出てきます。また近親繁殖を繰り返していくと、体が弱かったり奇形の子猫が生まれてくるというリスクも出てきます。

このブリーディングの目的は同じ遺伝子を引き継ぎ変化をさせないで系統を固定することです。

ライン・ブリーディング

ライン・ブリーディングはイン・ブリーディングとは少し違い、血縁関係が少し薄い関係同士で交配させることです。この方法で交配させるとイン・ブリーディングのように欠陥のある子猫が生まれてくる可能性は低く、良い系統を固定させつつ良質な子猫が多く繁殖させることができます。

アウト・ブリーディング

系統も血縁も全く関係がない猫同士を交配・繁殖させる方法です。成功すれば両親の長所だけを引き継いで生まれてくるし、反対に短所ばかりを持った子猫たちが生まれてくる可能性もあります。アウト・ブリーディングの方法で生まれその系統を維持するのであれば、イン・ブリーディングやアウト・ブリーディングで増やしていきます。

ブリーダーに限らず一般の人が自分の猫の子供を産ませたいときは、人との繋がりを下にグレードの良い種オスを探します。交配するのに掛かる値段は5万~10万と猫によって異なります。交配させるメス猫は交配前に獣医の健康診断を受け、体調を整えておくこと。

シャンプーの必要性があると清潔にし、爪も切りノミや耳のダニもチェックしておきます。交配から帰ってきたら体を休ませてあげます。交配後のシャンプーは控え3日後にします。

最後は避妊と去勢対策の説明をします。自分が飼っている猫に対して避妊もしくは去勢をさせるかはとても大事な事です。猫は一年で大人の猫に成長しますが、4から5ヶ月で成熟する猫もいます。

成熟して発情期に入ると今まで出さなかった声を出したり、体を擦り付けたりスプレーをしたりします。オス猫ならマーキングでおしっこをしたり家が汚れてしまいます。それを防ぐためにも、猫を飼っている飼い主は避妊や去勢を考えなければなりません。

また避妊や去勢の手術をしなかったら、もし子猫が生まれてしまった場合、お世話が大変になってくるのです。手術をすると発情しなくなり鳴き声やマーキングの減少やむやみにメスを求めて家を出なくなるというメリットがあり、デメリットは皮膚炎にかかりやすくなったりホルモンのバランスが崩れて太りやすくなります。

ブリーダーが猫を交配・繁殖させる時の3つの知識とまとめ

今回は猫のブリーダーになった時に、猫の交配や繁殖について知っておくべき知識をまとめてきました。犬も同じだと思いますが、動物の発情期をまずは知っておくべきです。しかし人工灯でも発情させることができるので、猫のブリーダーになったら時期を問わなくても良い時もあります。

しかし犬のブリーダーも同じことが言えると思いますが、動物の体に負担が掛かるような繁殖は避けるべきだと思います。また繁殖方法も3つありましたが、自分に合った繁殖方法を選択するべきです。

あるブリーダーは流行りの猫ばかり繁殖させると、ブームが去った途端に山へ捨てに行くブリーダーもいてるのです。命を扱う仕事です。むやみに増やすのは止めましょう。