ブリーダーの経営って?個人でも開業できる?

犬や猫などの動物が好きな人は、ブリーダーになろうと考えたことがある人もいるのではないでしょうか。命の誕生に立ち会い、犬や猫が欲しいという飼い主の元へ仔犬や仔猫を届けるという仕事はやりがいがいのあるものです。

ブリーダーとして個人で開業するには、どのような事が必要なのでしょうか。そもそも、個人でブリーダーの開業や経営をすることができるのか分からないことも多いかと思います。

そこで、ブリーダーの開業や経営について詳しく説明いたします。ブリーダーの開業や経営をする時に必要な資格や届け出についてもみていくことにしましょう。

ブリーダーの独立開業は可能?

ブリーダーとして独立開業することはできるのでしょうか。

個人での開業も可能

ブリーダーは、犬や猫などのペットを交配して繁殖し、欲しい人に届ける流通も担う仕事です。ブリーダーになるために学歴や年齢は問われないので、誰にでもなるチャンスはある仕事です。

もちろん個人で開業することも可能です。開業するには、地域の自治体に「動物取扱業」の開業届を提出し、開業許可を得る必要があります。

犬や猫が好きな人が飼っているうちに交配させて繁殖し、経験や知識を得たあとでブリーダーになることも多いです。ブリーダー一本で生計を立てている人や、他の仕事をしながら副業や兼業でブリーダーをしている人もいます。

ブリーダーは個人経営が多い

ブリーダーの仕事をしている人の経営規模は様々です。大規模ブリーダーになると100頭以上の犬や猫を育てている人もいます。当然、100頭も個人では世話をしきれないので、会社や組織などで運営している場合がほとんどです。

それに比べて個人で小規模経営をしているブリーダーも多いです。犬や猫を数匹で繁殖させている家庭的なブリーダーです。

もちろん、ブリーダーだけの収入で生活しようと思うと難しい場合もあります。動物を育てるための設備や維持費などの莫大な投資が必要になることを、あらかじめ知っておかなくてはなりません。

知識や経験と豊富な人脈が必要

ブリーダーになるには、なりたいという思いは大切ですが、それだけでなれるものではありません。ブリーダーには必要な知識や経験が必要になります。

動物の命に関わる仕事ですので、動物の生態を良く知り、飼育環境を整え、毎日のお世話や散歩、遊んであげることも必要です。日常のお手入れは欠かせませんし、食事やかかりやすい病気を知って、健康を維持していくことも大切な仕事になってくるのです。

ですので、個人で開業して独立しているブリーダーの多くは、過去にトップブリーダーのもとで学んでいる、ブリーダー業を営んでいる会社に勤めていたりすることが多いのです。

人脈が無い場合には、インターネットで「ブリーダー」や「犬種クラブ」などで検索をする、繁殖させたい動物の専門雑誌から情報を得ることができます。その他にも「コンテスト」や「ショー」などで知り合った仲間がより詳しい情報を持っていることもありますので、日ごろから豊富な人脈を形成していくことが大切になってきます。

命を扱うことへの理解が大切

ブリーダーの仕事は命を扱う仕事です。ブリーダーの収入が思ったほど得られないので辞めたいと思っても、動物がいる限り、すぐに辞めることはできません。毎日のお世話は続けていく必要があるのです。

動物は人間と同じで、毎日食事をし、排泄をして、生活をしていきます。食生活が整っていれば、多くの場合は健康に育ってくれますが、なかにはそうでない動物もでてきます。

動物は自分で痛いや苦しいなどを伝えることができないので、不調には気づいてあげなければなりません。そのためには、毎日の食事や体調を細かく記録して、飼育記録を残しておくことが大切です。毎日真剣に動物と向き合うことで、ちょっとした不調に気づくことができるようになってくるのです。動物になにかあった時は自分せいだと思い、責任を持って命を預かるようにする心構えが大切です。

開業するメリット・デメリット

ブリーダーとして開業するメリットやデメリットはどういうことなのでしょうか。

小規模ならではの細やかな世話ができる

ブリーダーの仕事はとても緻密な仕事です。よい品種や特質を残して、代々その良さを遺伝していこうと思ったら、少なくとも3世代はかかると言われています。毎日動物に真剣に関わっているブリーダーだからこそ、その動物の優れた特質を探すことができるといえるのです。

これがたくさんの動物を相手にしていると、毎日のお世話だけで精いっぱいです。とても一匹一匹に目を配ることができません。小規模ブリーダーならば、動物一匹一匹に目を配り、愛情をかけた細やかな世話をすることが出来るのです。

そして、良い品種や特質をもった理想のペアで繁殖することで、より良い改良を加えていくことができます。愛情をかけた動物が、世の中で広く愛されるようになれば、とてもやりがいにつながります。

自分の生活スタイルにあった働き方ができる

ブリーダーの仕事は、自分の生活スタイルにあった働き方をすることもできます。例えば、兼業や副業でブリーダーをすることも可能なのです。

ペット業界で働いていて、毎日動物と関わっていくうちにブリーダーへの興味がでてきたのでなる人も多くいます。ペット業界に入れば情報を手に入れやすいし、人脈も得やすいというメリットがあるのです。

ペット業界でなくても全く動物に関係の無い会社に勤めていたり、農業のかたわらでブリーダーをしている人もいます。

必ずしもブリーダー一本の仕事だけでやっていく必要はありませんが、動物の出産時期や生まれてくる赤ちゃんの数を予測することは難しいです。お世話で時間を取られたり、休みなく働くことになるので、あらかじめ覚悟しておかなくてはなりません。

評判によって収入は多くも少なくもなる

ブリーダーの収入は評判によって決まるといっても過言ではありません。ペットを飼いたいという人は、家族として動物を迎え入れるわけですから、当然見た目が可愛い、しつけが出来ている、血統に問題の無いものが好まれます。

インターネットでブリーダーを探して行きつく人もいますが、口コミや評判は重視される項目です。口コミや評判が良くなるように、健康で元気な動物をお届けするように心がけなければなりません。

収入が得られるまでの期間の諸経費がかさむ

ブリーダーとして独立開業しても、収入が得られるようになるまでは諸経費がかさみます。個人で経営する小規模ブリーダーで考えると、自宅にある程度のスペースの確保が必要です。

犬のブリーダーであれば、雌犬を数匹確保します。一匹の雌犬からは一年に数匹の仔犬が生まれます。仔犬を飼い主に届け、収入を得られるまでには時間がかかるのです。1匹の犬を飼う費用の5倍の費用がかかると思っておいたらよいでしょう。

開業の際の注意点

ブリーダーを開業する時の注意点はどのようなものでしょうか。

「動物取扱責任者」の資格を得る必要がある

ブリーダーになるには特別な資格は必要ありませんが、ブリーダーとして開業するためには「動物取扱責任者」に選任される必要があります。

動物取扱責任者になるには、以下の3つの要件が必要です。

・動物病院やペットショップなどで6カ月以上の実務経験を積む

・動物に関する学校で1年以上学ぶ

・第一種動物取扱業の種別に関わる資格を持っている

この要件を満たして動物取扱責任者になり、登録の申請をして施設の立ち入り検査などを済ませると、開業することができます。都道府県によって要件には違いがあるので、保健所などで確認するようにしましょう。

「動物取扱業」の届出が必要

ブリーダーとして開業するには、開業する地域の自治体に「動物取扱業」の申請を提出する必要があります。申請を提出することで、開業の許可を得られるようになるのです。

申請については都道府県によって若干違うので、保健所などで確認してから地域にあった方法で届け出を申請しましょう。

インターネット販売の規制に注意

ブリーダーの仕事に関わってくる法律には「動物愛護管理法」があります。この中で、インターネットの販売規制というものがあり、ブリーダーがインターネットを介して動物を販売する場合に、最低でも1回は購入者と直接会い、動物の現物を確認するという決まりがあります。

その他のも多頭飼育する場合の注意点もあります。開業する地域によっては、条例で一定頭数以上の動物を飼育する場合は、届け出が必要なこともあります。

「動物愛護管理法」の法律はよく改正も行われますので、こまめにチェックする必要があるのです。

販売ルートの確保は必須条件

ブリーダーとして独立開業してから収入を得られるまでには時間がかかります。動物を交配して出産させ、飼い主の元に届けて初めて収入が得られるのです。

ですので、動物が出産したらすみやかに流通できるように、販売ルートは必ず確保しておく必要があります。

ブリーダーの経営って?個人でも開業できる?のまとめ

ブリーダーは個人でも開業することができます。特別な資格は必要ありませんが、知識や経験は必要です。個人で小規模経営をするのならば、細やかな動物の世話ができる反面、収入がなかなか安定しないこともあります。

ブリーダーは兼業や副業でする人も多い仕事です。個人で開業する場合は、「動物取扱責任者」の資格を取得し、「動物取扱業」の届け出を行いましょう。「動物愛護管理法」も関わってくるので、その地域で必要な要件を満たすように常に最新の情報をチェックするようにしましょう。