初めての刺繍、始め方と必要な道具について

外国の古い映画やドラマのワンシーンで、刺繍をする女性の姿を見たことはありませんか。

ハンカチや小物に刺繍をして家族や友人に贈るというシーンがあります。刺繍をする姿に憧れるけれど、自分には無理とあきらめていませんか。

今回は、初めて刺繍を始める人のために、始め方と必要な道具についてご紹介しましょう。

刺繍の魅力

何もない無地の布地の世界に、刺繍をするだけで、急に豪華で華やかな世界が広がります。

色々な世界観を表現できる

刺繍には、様々な種類があり、それぞれが出来上がった作品の雰囲気が異なり、違う世界観を表現することができます。

専用の布にクロスに糸を渡しながら、糸を刺していく「クロスステッチ」、さらにまっすぐに糸を通すだけで、美しい幾何学模様が仕上がる「スウェーデン刺繍」というものがあります。

また、何もない生地に、様々なステッチを組み合わせて作る「フランス刺繍」は、ステッチの組み合わせ方次第で、絵画のような刺繍に仕上がります。

日本では、並縫いだけで模様を作り上げる「刺し子」という技法もあり、和の小物などで利用されています。舞台の緞帳や和服に合わせる帯には美しい刺繍が施されたものもあります。

刺繍の始め方

刺繍を始めるためには、どんな作品を作りたいかによって、用意するものが異なります。

まずは、手芸店やネットの出来上がり作品を見て、やってみたい技法を決めましょう。

どんな刺繍を作りたいか決める

何に刺繍をするか、どんな作品を作るか、そしてどんな刺繍を作りたいかを決めます。プロの手芸講師やハンドメイド作家の作品を真似したり、参考にする場合は、本やネットのレシピを参考にします。

初心者におすすめの基本の刺繍の種類

刺繍をしたことがない、初心者でも簡単にできる基本の刺繍からご紹介しましょう。可愛いキットもあり、小学生でも刺繍をすることができます。

クロスステッチ

クロスステッチはクロスステッチ用の布に、刺繍糸をクロス、つまり×に刺しながら模様に仕上げていきます。

同じ刺し方を繰り返して作るので初心者でも親しみやすい

クロスステッチには、複雑な縫い方や刺し方はありません。同じ刺し方を繰り返して作り上げます。

そのため、刺繍初心者でも親しみやすく、簡単に仕上がります。

図案を写す必要がないのもポイント

クロスステッチは、レシピ通りに糸を刺すだけです。そのため、図案を映す必要がないのもポイントです。誰でも簡単にできるため、子どもでも必要な道具とレシピがあれば、簡単に刺繍することができます。

子ども用の教材を扱う業者では、ディズニーのキャラクターのクロスステッチ刺繍のキットなども扱っています。

フランス刺繍

フランス刺繍は、刺繍の原点とも言うべき刺繍です。美しい図案を様々なステッチを使って仕上げます。くるみボタンのような小さなものから、大きな刺繍まであります。

様々なステッチを組み合わせて作る分、クロスステッチより技術が必要だが絵画のような表現力が魅力

クロスステッチの魅力は出来上がった作品が、まるで絵画のように仕上がることです。様々なステッチを組み合わせるため、クロスステッチよりも技術が必要ですが、その分、本格的な刺繍に仕上げることができます。

フランス刺繍のステッチが他の様々な刺繍でも基礎となる

フランス刺繍には、様々なステッチが施されています。フランス刺繍のステッチを覚えると、ハンガリー刺繍や日本刺繍、カシミール刺繍など、様々な刺繍をすることができます。

さらに、フェルト小物作りや、クッション作りなど色々なハンドメイド作品作りが、おしゃれなものになります。

基本のステッチの種類

フランス刺繍で、必ずといって使う基本のステッチには、

ストレートステッチ

ランニングステッチ

バックステッチ

アウトラインステッチ

サテンステッチ

があります。名前を聞くと、特別なもののように見えますが、基本の縫い方を少しだけ改良したものになります。例えば、ランニングステッチは、「並縫い」です。バックステッチは、「本返し縫い」です。

小学生の時に、基礎縫いで学んだ縫い方を応用したものばかりです。

作りたいものが決まったら、必要な道具を集める

作りたいものが決まったら、早速必要な道具や材料を集めます。家庭に、刺繍針・刺繍糸がない場合は、こういった基本のものから用意しましょう。

また、クロスステッチの場合は、専用の布も必要になります。布は模様によってクロスする正方形の大きさが違います。刺繍の本を見て、参考にして下さい。

刺繍を始めるのに必要な道具

刺繍をする時に、必ず必要なものが針です。縫い針は、普通の手縫い針の他に、和服を縫う時の絹針や、毛糸針など様々です。

刺繍針は刺繍糸が通しやすいように、穴が細長く大きくあいているのが特徴です。

他にも、スウェーデン刺繍の針は、布がすくいやすいように、先が5㎜ほど曲がっているという、他の針では見ることができない特徴もあります。

刺繍針

刺繍針には、フランス刺繍用のフランス刺繍針、クロスステッチ用のクロス針、刺し子用の刺し子針、スウェーデン刺繍針、ウール生地に刺繍する時に使うタペストリー針など、たくさんの種類があります。

フランス針

フランス刺繍用のフランス針は、針穴が細長くて針先がとがっています。太さは刺繍糸1本用の0.46mmから6本用0.99mmまであります。長さも3cm~4.5cmと8種類以上あります。

フランス刺繍用の針は、色々なメーカーで扱っていますが、長さ・太さ違いで20種類以上あるようです。たくさんの種類から、自分が一番使用しやすい針を選んでください。

クロス針

クロスステッチ用の刺繍針や、針穴が細長くて針先が丸くなっているのが特徴です。刺繍糸は一定の量を通すため、太い方が使いやすいという人もいます。

クロスステッチ刺繍針は、先が丸いためビーズ刺繍にも利用しやすいと、ビーズ刺繍やビーズ手芸に利用している人もいます。

クロスステッチ針も、刺繍糸1本用から6本用まで、太さと長さが6種類以上あります。

このように、同じ刺繍でも刺繍の種類によって色々な針があり、刺繍内容にあった針を選ぶ必要があります。

刺繍糸

それでは、刺繍糸にはどのような種類があるのでしょうか。

よく使われるのは25番刺繍糸

刺繍糸でよく使われているのが、6本で1組になった25番刺繍糸です。刺繍をする時、糸を自分で1本から6本に取り分けて使用します。

1本だけを使うと細く繊細な刺繍に、6本使うと立体的なふっくらとした刺繍に仕上がります。

次は布のご紹介です。刺繍をする布には決まりはあるのでしょうか。

フランス刺繍の場合

フランス刺繍は、普通のハンカチやバッグ、ブラウスなど色々なものに利用できる刺繍です。布は、平織りの生地や綾織りのジーンズ生地、といった布にも刺繍することができます。

クロスステッチの場合

クロスステッチやスウェーデン刺繍は、専用の布があります。

正方形に布目がはっきりとしているため、刺繍糸を作り上げたい図柄に合わせて刺していきます。

細かい刺繍をしたいときは、1インチ18カウントの布を、大きな柄にしたいときは1インチ9カウントの布、と縦糸と横糸がクロスしている正方形の大きさによって違います。

刺繍枠

刺繍枠は、刺繍したい部分の生地をピンと張って、刺繍しやすいようにする枠です。竹製でできた枠に生地を挟みピンと張り、金具で調整して止めます。

刺繍枠がなくても刺繍をすることができますが、刺繍枠を使って生地をしっかりと平らにすると、刺繍がしやすく綺麗に仕上がります。

糸切りはさみ

糸切ばさみは、普通のはさみよりも、握りが小さく刃先がとがっているのが特徴です。

普通のハサミでも糸を切ることはできますが、糸切ばさみは細かいところまできれいに余分な糸を切り落とすことができます。細かい作業をする時は、必要になります。

チャコペーパー

布に図柄を書き写す「カーボン紙」です。チャコペンの粉が紙全体に塗布されていて、上からしっかりとかくことで、布に書いた図柄を写すことができます。

チャコペンで直接書くよりも失敗が少なく、紙などに書いたものを上からなぞった方が、きれいに仕上がります。

他にもあると便利な道具

刺繍をする時、他にどんなものがあると便利でしょうか。

刺繍図案の本

どんな刺繍をしたら解らない、初めから自分が思っていた絵を刺繍するのが難しい、絵心に自信がない、という人もいます。そんな人のためにあると便利なものが刺繍図案の本です。

トレーシングペーパー

刺繍図案の本をそのままチャコペーパーに乗せることはできません。トレーシングペーパーは、本などの上に乗せて、なぞることができる紙です。

トレーシングペーパーに書き写して、それをチャコペーパーの上に乗せて図柄を布に転写します。

糸通し等

針に糸を通すことに自信がある、という人でも3本4本とバラバラの刺繍糸を針に通すのは、難しい作業です。そこで、糸通しがあると、バラバラの糸をまとめて針穴に通しやすくなります。

道具はどこで買える?

ところで、刺繍の道具はどこで買うことができるでしょうか。

手芸屋、刺繍専門店など

最近、針や糸は100円ショップのお店やスーパーマーケットにも置いてありますが、刺繍の専門道具は「手芸屋」「刺繍専門店」になります。

特に、手芸屋に行くと刺繍糸の種類も豊富です。微妙な色の違う絃がたくさんあると、グラデーションまで刺繍で描くことができます。

初心者にはわかりやすいキットの購入もおすすめ

何から始めたらいいかわからない、という初心者の人には刺繍キットが市販されています。キャラクターデザインのものから名画まで、自分の好みにあった柄を選んでみましょう。

初心者はどんな刺繍をするのがおすすめ?

初心者には、どんな刺繍から始めるのが最も良いでしょうか。

ワンポイントなど小さなものから始めて達成感を

刺繍は、小さなワンポイントから大作まで、たくさんの種類があります。大作になると何日もかかってしまい、初めての人には飽きてしまうかもしれません。

初めは数時間や数日で仕上がる、小さなもの、簡単なものから始めてみましょう。出来上がりの達成感があると、次につながっていきます。

小物やアクセサリーなら作品を身に着けやすい

刺繍には小物やアクセサリーもあります。

例えば、キーホルダーやバレッタなどに刺繍をするのもあります。刺す量もわずかですので、数時間で仕上がります。また身に着けることで、自分で作ったという自信になります。

ハンカチやポーチ、シンプルな布製トート

キットにもなっているものもある、ハンカチやポーチ、布製トートは簡単なうえに、それなりの図柄になるため、達成感を感じながら作ることができます。贈り物にもなります。ブックカバーもおすすめです。

ハンドメイドが得意ならフェルトやくるみボタンに刺繍してアクセサリーに

ハンドメイドが好き、得意という人ならフェルトやくるみボタンに刺繍をすると、そのまま衣服として身につけたり、アクセサリーにすることもできます。

洋服でもワンポイントなら取り入れやすい

刺繍が入った洋服を身につけている人もいます。中には、大々的に花柄や動物の柄を刺繍している人もいますが、大きなものは機械刺繍で、手刺繍はほとんどありません。

シャツの胸元やポケットなど

初めは、シャツの衿もと、胸ポケットや袖口などに刺繍をしてみましょう。無地のブラウスやカーディガンが華やかなものになります。

初めての刺繍、始め方と必要な道具についてのまとめ

刺繍をしたことがない、刺繍をやってみたいという人のために、刺繍を始める時に必要な道具のご紹介でした。

刺繍は気軽にできるハンドメイドです。ハンカチやブラウス、ブックカバーにさりげなく刺繍があるだけで、オリジナルのプレゼントにもなります。

マフラーや手袋は無理、という人でも簡単な刺繍で、素敵なハンドメイドを楽しんでみましょう。