刺繍糸を針に通すコツと、刺繍の刺し始め・刺し終わりの方法について

刺繍糸を針に通すとき、糸がバラバラになってしまい上手く通せない、ということはありませんか。

結論をお話すると、糸通しを使うことをおすすめします。

刺繍の最初と最後は、玉結びと玉止めをしても良いですが、作品として仕上げる時は、捨て糸をした方が、きれいに仕上げることができます。

それでは、刺繍糸を針に通すコツと、刺繍の刺し始め・刺し終わりの方法についてのご紹介です。

刺繍糸の針の通し方

一般的な縫い糸と異なり、刺繍糸は6本が束になっているものを、刺繍する内容に応じて1~6本により分けて使います。そのため、普通の針では糸が通せないということがあります。

まずは糸口を見つけて、そこから静かに引き抜き、45~50cmくらいで糸を切ります。

切った糸を、自分が使いたい本数により分けます。この時、3本使うなら、3本ずつを両手で持って、均等に左右に引くと、きれいに分けることができます。2本の時は、2本と4本で引き分けます。

糸に折りグセをつけて通す

刺繍針は細長くなっています。そこで、糸の先1cmくらいをしっかりと折ります。これを折りグセと言います。

糸を針の頭に当てて折り、針を抜いて折り目をつける

糸を針の穴に巻くようにして当てて折り山を付けます。針を抜いて、しっかりと折り山のところで折り目を付けます。

糸の折り山を針穴に通す

糸の折り山をもって、針穴に通します。この時、糸がバラバラにならないように気を付けましょう。

糸の輪を引っ張り、短い方の糸端を引き出す

糸の輪を引っ張り、短い方の糸端を引き出してまっすぐにします。糸端を引く時も、糸がばらけてしまうと、途中で糸がダマになってしまったり、きれいに仕上がらない原因になってしまいます。糸がバラバラにならないよう、揃えて糸端を引き出しましょう。

苦手な場合は糸通しを使うと簡単

苦手な場合は「糸通し」を使いましょう。しかも、手芸店で見かける1,000円くらいのピンクやオレンジ色をしたボタン式の糸通しではなく、昔ながらのアルミ製の糸通しです。

小学生や中学生は、糸通しの平たいところに描かれている横顔を「おじさん」の顔と呼んでいますが、実際には誰をモデルにしたものでもないようです。

これから刺繍の指導者になりたい、という人はなぜ「糸通し」なのか、というお話をします。

小学生や中学生に刺繍をしてもらうと、まずは糸を分けるところで時間がかかります。学校教材用の刺繍糸は、単色ではなく、色々な糸が混ざって、束ねたものがセットになっています。

ここから、好きな糸を選び分けて、そこからさらに糸を自分の針に通せる様に3本を2束により分けるのですが、これが一苦労です。糸が絡まって途中でぐちゃぐちゃにする子どももかなり増えています。

中には、一時間の授業がここで終わる、という子どももいます。

また、6本をそのまま使おうとして針穴に通せずに無理やり引っ張り、穴を割ってしまうという驚きの行為をする子どももいます。

皆さんが、今後子ども向けのワークショップやカルチャースクールなどで刺繍を教える時は、こういったこともあるということをご理解ください。

そこで、私は色々な方法をする以前に、まず、2~3本、糸をより分けることを説明し、全員に糸通しを使うことをすすめています。

刺繍のプロを目指す人でも、どんな人を対象にした指導者になるかわかりません。子どもたち野仲には「折りグセ」を理解するのは難しいこともある、と考えて下さい。

刺繍糸の刺し始め

刺繍の刺し始めは、玉結びをせずに捨て糸をする方がきれいに仕上がります。また、刺しはじめを次の糸に隠したり、絡ませることで裏側もきれいに仕上げることができます。

玉結びをしない時は、常に5~6cm余裕をもって糸を残すようにして、後できれいに切るという方法もあります。

刺し始めの方法

刺し始めの方法には、2つの方法があります。1つは一般的な手芸のように「玉結び」をして刺し始める方法と、「捨て糸」という方法があります。捨て糸にも、「捨て糸を最後に始末する方法」「近くの刺繍の裏側に、糸を絡めて結ぶ」「後で隠れる図案の中央から刺す方法」があります。

捨て糸をする(捨て糸は最後に始末する)

捨て糸は、刺し始めの時に玉結びを作らない方法です。線をステッチする場合で、近くに他の刺繍が無いときに使います。

やり方

一般的に手芸をする時は、玉結びをしたら針を裏側から通して引きます。捨て糸は玉結びをせず、糸を生地の表側に5~6cm残して、一針目を裏側に刺す方法です。5~6cmはそのままにして刺し始めます。

糸始末は、仕上がってから行います。

どんな時に適しているか

刺繍の裏側に凸凹を作りたくない、表側の刺繍をきれいに仕上げたい時、線をステッチする場合で、近くに他の刺繍が無いときに適しています。

表側に残してある糸5~6cmを、一針目のところまで糸を裏側に抜き、針穴に糸を通したら、生地の裏側の縫ってある糸に、捨て糸をくぐらせます。数回くぐらせて、2mmくらい残して切ります。

近くの刺繍の裏側に、糸を絡めて結ぶ

近くの刺繍の裏側の糸にからめて刺し始めます。線をステッチする場合で、近くに他の刺繍があるときの刺し始め方です。

やり方

刺繍の一針目ではなく、途中で糸がなくなった時でなどに使う刺し始め方です。生地の裏側にある、すでに縫ってある近くの刺繍糸に、まず1回くぐらせます。

もう一度くぐらせて、結ぶようにとおします。糸を引っ張って抜けなければ、大丈夫です。「刺し子」の刺繍もこの方法が一番きれいに仕上がります。

どんな時に適しているか

線をステッチする場合で、近くに他の刺繍があるときに絡めて結びます。比較的簡単な刺し始め方です。

面を縫う時は、後で隠れる図案の中央から刺す方法も

サテンステッチのように、面で縫う時は面の下に隠れる図案の中央から刺すという方法があります。

やり方

まずは、図案の真ん中に小さな間隔で針を刺し小さくすくいます。2~3mm残して、はじめに針を入れた近くに針を入れます。

全体のサテン刺しをすると、はじめの糸が中に隠れるようになります。

どんな時に適しているか

サテンステッチのように、全体に面で隠れるところに始める刺し方です。

裏が見えない時や初心者や玉結びでもOK

刺繍した生地に裏地がつく、額縁に入れるなど裏が見えない刺繍は、玉結びをしても大丈夫です。しかし、玉結びの方が難しいという人もいます。

自分でやりやすい刺し方で始めましょう。

刺繍糸の刺し終わり

刺繍糸の刺し終わりも、玉止めを作らないことで、きれいに仕上げることができます。

裏側の縫い目に糸を絡める

刺し終わりは、線の時と面の時では、少しだけ違います。

やり方

ランニングステッチのような線の刺し終わりは、残しておいた糸を裏に出して、針にとおしてから、裏の糸にくぐらせて始末します。くぐらせるときは、2~3回絡めるようにします。最後は抜けないことを確認して糸を切ります。

刺し子の時も、この方法で糸始末をします。

サテンステッチのような面の時は、裏地側に返し、針をとおしたらサテンステッチの裏面の中に通し、真ん中で一度針を抜き、さらに小さく通し抜きます。引きすぎないように数回通したら、糸を切ります。

刺し始めの時、捨て糸をした場合は、捨て糸も裏に通し同様に処理する

刺し始めで捨て糸をしたとき、捨て糸も裏に通して同じ様に処理をします。ランニングステッチと同じように、残した糸を裏に通し、裏の糸にくぐらせて2~3回絡めて、糸を切ります。

裏が見えない時や初心者や玉結びでもOK

刺し始めと同じように、裏が見えない時は玉止めによる始末の仕方でも大丈夫です。玉止めや玉結びの方が、難しいという人も多くいます。刺繍はきれいに仕上がることが一番です。しかし、しっかりと留めるために引きすぎて糸がつってしまう、ということもあります。

そこで、慣れない時は玉結びや玉止めで留めても大丈夫です。

刺繍糸を針に通すコツと、刺繍の刺し始め・刺し終わりの方法についてのまとめ

刺繍糸を針に通すコツと、刺繍の刺し始め・刺し終わりの方法でした。刺繍をきれいに刺すためには、刺繍糸をきれいに針に通すことから始まります。

そして、刺し始めと刺し終わりの方法も正しく刺すことで、最後まできれいな作品になります。

正しく刺すことで、きれいな作品に仕上げましょう。