基礎代謝とは、心拍・呼吸・体温など人間が生きていく上で必要最低限のエネルギーを指します。
基礎代謝は、特別な運動など何もしていなくても、消費されていくエネルギーです。
もしダイエットをするのであれば、脂肪を燃焼できる身体作りの一環として、基礎代謝量を高めることが重要とされています。
基礎代謝では、身長・体重・性別などにより個人差もでてきますが、1つだけ共通なのは加齢による変化があるという点です。
若年層と壮年層とで比較すると、確実に基礎代謝の量や質が違います。
人体でおこなわれている代謝には、以下の3種類があります。
● 活動代謝
● 食事誘発性熱産生
● 基礎代謝
活動代謝とは、体を動かして消費されるエネルギーです。
食事誘発性熱生産は、食事した際に消化活動にて使われるエネルギーを指します。
そして、もっとも生命維持のために大量のエネルギーを必要とするのが基礎代謝です。
基礎代謝では、呼吸・心肺機能の動きなど、生命を維持するためのエネルギー代謝の全体を指します。
当然、就寝している時間やただ座ってじっとしているだけでも消費されていくエネルギーです。
このエネルギー消費を効率よく考えて実践すれば、基礎代謝量を上げられるので、体によいとされています。
体温が適度に高めで血の巡りがよく、老廃物もしっかり排出できる身体といえるでしょう。
平均的な基礎代謝量は、男女ともに10代後半までにピークへ到達します。
その後は、年齢とともに徐々に低下していくものです。
10代の成長期は体の発育に大切な時期なので、多くのエネルギーを使います。
しかし成長し大人になれば、若いころと同じ食生活を繰り返すとカロリー消費ができず、脂肪のほうが蓄積されやすくなるのです。
体質や個人差にもよりますが、一般的には代謝が悪くなります。
ただし、日々の運動量や生活習慣に気を使っている人は、基礎代謝率が高めです。
健康的な日常と運動を習慣化していれば、基礎代謝を下げないように身体自体が変化していきます。
基礎代謝とは、人体が生命活動を維持するための必要最低限なエネルギーです。
就寝中やじっとしているだけでもエネルギーは消費されます。
一般成人の場合、女性が約1,200kcal、男性が約1,500kcalです。
また、基礎代謝の男女や年齢での差は、普通は男性が高く女性が低くなります。
男性のピーク時の基礎代謝量は15〜17歳の頃の1,610kcalで、女性のピーク時では12〜14歳の頃の1,410kcalです。
この基準をピークにして、後は年令を重ねるごとに下降していくことになります。
成人した男女がピーク時の基礎代謝量にまで引き上げることは難しいでしょうけど、下降する量を減らし続けて、年齢ごとの標準値よりもやや高めにキープさせることは可能です。
もし基礎代謝量が標準よりも高ければ、じっとしていても体は積極的にエネルギーを使ってくれるでしょう。
太りにくい体質の人がいますが、基礎代謝量が常に高い状態だからです。
食事や運動にわざわざ気を配らなくても、健康的にたくさんエネルギー消費ができます。
基礎代謝量が高ければ、摂取エネルギーよりも消費エネルギーのほうが多くなるでしょう。
体内に余分なエネルギーを残さず消費できているので、体に害となる物質も少ないといえます。
ダイエットが成功しない原因として、代謝が低いということがあげられるでしょう。
さらに細かく見ると、生活習慣の乱れ、ストレス、慢性的な運動不足、加齢などで体の機能が衰えていき基礎代謝量は低下しています。
代謝ができないので、食事制限や運動をしても効果を現してくれません。
負担の大きいダイエットをひたすら繰り返しても逆効果です。
過酷な食事制限・運動は、かえって代謝機能を妨げることにつながります。
ダイエットの効果はすぐには出てきませんが、やり続けて実感しない場合は、基礎代謝が正常なのかを確認しておく必要があります。
その上で、生活習慣や環境を改善していくことが何よりです。
脂肪が燃焼しにくく太りやすいタイプが陥る生活習慣は、以下のような要因が考えられます。
● 食習慣の乱れ
● 運動不足
間食しがち、食事時間が不規則、早食いなどの悪習慣こそが肥満の原因です。
運動不足も、消費エネルギーの低下とともに脂肪が蓄積されてしまいます。
これらを標準値に戻す意味でも、まずは生活習慣を整え、食べる量を適当に考えながら過ごしてみれば、徐々に基礎代謝量も変わってくるはずです。
また、不眠や頻尿などの症状に悩む人も基礎代謝量が低いと考えられます。
とくに水分の代謝が落ちていることもあり得るので、基礎代謝量を引き上げる方法を確立してください。
基礎代謝が下がってしまうのは、さまざまな原因が考えられます。
では、具体的にどのような原因があるのかを解説していきましょう。
最も考えやすい原因は、年齢とともに筋肉量の減少で引き起こされるものです。
基礎代謝の低下は、加齢とともに低下していくことは先述しています。
原因としては、年齢とともに身体の筋肉量が落ちていくためです。
これは自然なものなのである程度は仕方ありません。
しかし、運動不足なども加わって、さらに筋肉量が減少することも考えられます。
急激で無理な運動はする必要などありませんが、自分の身の丈に合わせ効率よく運動する習慣だけは、忘れずに継続していくことが大切です。
痩せたい一心から、過剰なカロリーカットなどをすると基礎代謝量も減少してしまいます。
無理な食事制限やダイエットは、エネルギーを生成するためのカロリーが足りず、既存の筋肉からもタンパク質を利用しエネルギーに変換しようと試みてしまうのです。
そのため、脂肪が落ちるのと一緒に、筋肉量までも落としてしまいます。
筋肉量が落ちれば基礎代謝量も落ちるので、かえって不健康な状態を招くでしょう。
ダイエットの方法を見直し、タンパク質などの三大栄養素の補給は、必ずおこなうことが大切です。
基礎代謝が下がる原因は、不規則な生活による場合も考えられるでしょう。
不規則な毎日を送り続けると自律神経の乱れにつながります。
自律神経が乱れると、体温低下を招いてしまうのが特徴です。
人体は1度体温が下がってしまうと、基礎代謝が約13%下がります。
生命維持のための基礎代謝のレベルが下がるので、当然ながら健康上に悪影響が出てしまうでしょう。
どのような症状が出るかは個人差もあるので一概には言い切れませんが、大病を招く原因としても考えられます。
自律神経を平常に保つ意味でも、基礎代謝量をアップさせる工夫をしていきましょう。
もし自分の基礎代謝量が低いのではと考えている場合、あるいは脂肪がつきやすく痩せにくい、ダイエットをしても体重が落ちないといった悩みがあるのなら、以下の項目に該当するかどうかをチェックしてみましょう。
● 適度な運動を普段から心がけているか
● 栄養バランスよく食事を摂れているか
● 毎日の生活は時間通り規則正しいか
運動を普段からおこなっているかどうかは、自分でもよく分かることだと思われます。
運動を行わないと筋肉量が減少し、それに伴い基礎代謝も下がっていくでしょう。
肥満気味な人であれば体重が落ちにくくなり、脂肪が燃焼されないままです。
また、ちょっとしたことでも疲れやすくなったりします。
日常的な運動の習慣を持たないと、筋肉が次第に減っていき、40代〜50代の頃には脂肪がつきやすい体に変わってしまいます。
その現象を防ぐために適度な運動を心がけ、脂肪を燃焼できる身体作りに取り組むべきでしょう。
運動とともに栄養バランスを考慮した食事を摂取しているでしょうか。
筋力運動をおこなえばそれだけエネルギーを使います。
また、食事制限をしていると体は栄養不足に陥りやすくなるでしょう。
ダイエットをしたいのであれば食事もしなくてはなりません。
その場合の食事は、栄養としてバランスが整っていて適量であることが大切です。
一見すると体重が減ってダイエットに成功したかのように思えても、必要な栄養が不足していると健康上に問題が生じてしまいます。
必ず三大栄養素と呼ばれる炭水化物・タンパク質・脂質のバランスと、ミネラル・ビタミンなどとの関係性も考えた上での、食事メニューにこだわりましょう。
毎日の生活サイクルは規則正しく回っていますか。
ルーティンがしっかり整ってこそ、効率よく身体作りが成功します。
毎晩、夜遅くまで夜ふかしをすることや、夜食や間食ばかり摂ってしまうような暮らし方は、ますます脂肪を溜め込んでしまうでしょう。
また、睡眠や休息もしっかり取らないと、疲労が溜まっていきます。
疲労は、ダイエットどころか健康そのものを害してしまう恐れがあるので、少なくとも睡眠時間をしっかり決めて逆算したルーティンを心がけましょう。
一般成人の必要な睡眠時間は毎日7〜8時間が基本となります。
基礎代謝量は筋肉量によって違ってきます。
筋トレなどで負荷をかけて強く大きく肥大した筋肉には、基礎代謝量も多く消費することになるでしょう。
もちろん個人差があります。
週3回30分程度を基本とした場合、1週間で筋トレの習慣を脳が受け入れてスムーズに伝わる仕組みが作られるようです。
さらに継続していけば筋肉の量も増えはじめ、基礎代謝量が上昇し脂肪が燃焼できるようになっていきます。
3か月過ぎたあたりで、体型などの変化を実感するケースが目立ってくるはずです。
つまり、基礎代謝を上げて実感できるまでの期間は3カ月を目安にして、決して焦らず地道に、トレーニングや食事制限を試みてください。
基礎代謝量を上げて痩せやすい身体作りをするためには、そのための行程や習慣が欠かせないものと考えたほうがよいでしょう。
日々の些細な積み重ねによって、やがて身体が変化していくものです。
まずは、運動の側面から基礎代謝を上げるためのコツを解説していきましょう。
基礎代謝を上げるための手法として、ストレッチはぜひ取り入れてみましょう。
ストレッチは自律神経を整える作用があります。
低体温になると基礎代謝は確実に下がってしまうため、健康上にあらゆる症状がでてくるでしょう。
自律神経を整えるために朝起きたらストレッチをしてみると、交感神経が優位に働き出します。
中でも下半身の筋肉を中心にストレッチするとよいでしょう。
血流促進のためのポンプのような役割があります。
ストレッチの利点は、全く器具を使わず方法さえ覚えれば比較的誰にでも実施できることです。
また、本格的な筋トレなどをすることも想定すれば、ケガや事故の防止にもつながるので大切な方法となっていきます。
筋トレは基礎代謝を上げるのに必要な方法です。
筋肉は運動によって肥大化させることができます。
言い換えれば、それ以外の方法はありません。
筋トレで筋肥大していけば、それだけ基礎代謝も必要になり向上していくからです。
ただしデメリットは、短期間では増やすことはできないことでしょう。
徐々に時間をかけて気長に続ける意志の強さも必要となってきます。
基本的な筋トレとしては、スクワット10回、腕立て伏せ10回、腹筋10回を1セットにして、週2〜3回を続けてみましょう。
必ず、中1〜2日はインターバルを与えます。
次第に慣れてきたら、徐々に回数を増やすことや、バーベルやダンベルなどの器具を使ったトレーニングへと移行していきます。
注意点は、ハードなトレーニングになればなるほど、絶対に無理だけはしないように心がけることです。
多少の限界超えは必要ですが、急激なことだけはしないというルールを守りましょう。
筋トレで基礎代謝を効率よく上げるポイントは以下のとおりです。
● 無理はしない
● 徐々に回数など増やす
● ゆっくり動かす
● 1~3日間を空けてインターバルを置く
● お尻や太ももといった大きい筋肉から鍛える
筋トレのような瞬発力を要する無酸素運動だけではなく、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動も取り入れていきましょう。
有酸素運動こそ脂肪燃焼効果が期待できる定番のトレーニングです。
血流改善効果もあります。
呼吸が乱れない程度のスピードに則って、10分以上続けるルーティンから開始するとよいでしょう。
ウォーキングであれば1日8千〜1万歩が基準となるので、週のトータル5万6千歩は歩くということになります。
ただし、なかなかウォーキングだけでは体系の変化などがしにくいので、頓挫しやすいのが欠点です。
できれば、他のトレーニングと併用してトータルのバリエーションを考えて続けるほうがよいでしょう。
筋トレを休んだ日のトレーニングメニューとしておこなうのが理想的です。
例えば、ヨガのような腹式呼吸を主体とした習慣を作ってみましょう。
腹式呼吸は、腹横筋などのインナーマッスルが働き、基礎代謝向上が期待できます。
腹式呼吸を意識的におこなう方法としてヨガがおすすめです。
独特なポーズを維持しながら腹式呼吸をし、同時にストレッチや体幹の筋力強化もできるので一石二鳥になります。
筋トレが苦手という人は、なおさらヨガに興味を持って取り組んでほしいものです。
ここでは、基礎代謝量を上げるための食事上での習慣について解説していきます。
筋トレや有酸素運動などと一緒に、食事摂取の方法も重要なポイントになるので
もし痩せにくいといった悩みがあれば、食事制限の方法や周辺にも注目してみましょう。
水分の補給は必ずおこないましょう。
水分補給は血行をよくして基礎代謝向上をさせます。
できれば、白湯のような温かい飲み物がベストです。
胃腸を温め内臓の働きが活発になるからです。
水分補給の目安としては、体重60kgの成人男性で1日2.5Lとなり、そのうち食事から1L、体内で0.3L作られます。
そのため、自ら積極的に水分補給するには毎日1.2Lは必要です。
できる限り必要量よりも少し多めに水分を摂取するのがポイントとなるでしょう。
注意点は、極端に水分をとってしまうとかえって体調を悪くします。
基礎代謝を上げるためには、体を温める食べ物が効果的です。
胃腸を温めて内臓の働きを活発にすることで、基礎代謝の向上が期待できます。
そこで、体を温める効果があるとされる野菜を中心に食事に取り入れるとよいでしょう。
例えば、ショウガ、にんじん、かぼちゃなどは、冬に旬を迎える野菜ですがそれなりに意味があり、体温を上げてくれることがわかっているからです。
他にも、筋肉維持に必要なタンパク質の摂取も忘れてはなりません。
基礎代謝を上げるために役立つもう一つの食材は、腸内環境に関連する食品です。
腸内環境が整うと基礎代謝が上がりやすくなり、免疫力の向上にもつながります。
善玉菌と呼ばれている菌類を多く含む発酵食品がベストです。
また、一緒に食物繊維が豊富なものも食べると相乗効果が期待できます。
発酵食品・食物繊維を含む食品としては以下のようなものがあげられるでしょう。
● 発酵食品・・・納豆、みそ、キムチ、ヨーグルト、チーズ
● 食物繊維・・・にんじん、ブロッコリー、ほうれん草、さつまいも、果物
ダイエットをしても効果が出ない、あるいは激しい筋トレをしているのに筋肥大しないという人は、基礎代謝についての認識が甘く、ただ体に負担をかけているだけかもしれません。
痩せやすい身体作りのためには基礎代謝量を高める生活習慣にシフトするよう見直すことが突破口になるでしょう。
代謝を上手にコントロールすることで、脂肪を効率よく燃焼できるようになります。
一般的に基礎代謝が高い人のケースは、筋肉量が多く、運動や家事といったちょっとしたことでも汗を自然にかいています。
運動習慣や栄養バランスも考えながら、基礎代謝向上のルーティンを守るように心がけてみましょう。